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2021.11.30
装置のこと装置の取り扱い失敗例

インビザライン治療を検討中の方から、治療中の方まで。実際に治療をスタートした後の取り扱いについて、準備と心得のために。治療中の方には、改めての注意喚起として。使用に慣れてしまうほど、うっかりしてしまいがちです。いつかの失敗回避のためにも、解決法とともに確認していきましょう。
①紛失
意外と多いのが、紛失。一番多い理由はアライナーケースが手元になく、一時的にティッシュにくるんでいたらそのまま捨ててしまったパターンです。まるまったティッシュがあるとインビザラインが入っていることを忘れてしまう・・。気をつけていても無意識で手が動いているのです。
解決方法
どうしても一時的にティッシュでくるむ時は、自分の元から離れないところに保管しましょう。例えば、急いでいる外食のランチ中。食事中、忘れてはいけないという意識から目の見えるところにくるんだティッシュを放置→そのまま口を拭いたティッシュなどとゴミ箱行き。となるので、カバンの中にそっと入れておく、もしくは財布や携帯の上に置いておきましょう。
※補足
紛失の備えとしても、現在使用中のアライナーより2〜3つ前分のアライナーは常に残しておきましょう。また、保管する際は特に綺麗に洗浄し、時間がたっても清潔な状態が保てるようにしましょう。
②破損・変形
インビザラインのお手入れ方法はどうするでしょうか?マウスウォッシュへ浸す・入れ歯洗浄剤に入れる・お湯でゆすぐ。・・・全てNGです。使用が続き、汚れが気になった頃に、ついやってしまう、あるある3つです。
解決方法
マウスピース用洗浄剤がありますので、専用のものを使用しましょう。この際、つけ置きするぬるま湯を作るときに注意してください。インビザラインはお湯に弱く変形してしまう恐れがあります。泡タイプのつけおきが可能な商品も出ていますのでそちらも要チェックです。自分が失敗しにくい、使いやすいものを選びましょう。
※補足
破損・変形の理由には、装着時に歯でアライナーを噛んではめ込むことも挙げられます。チューイーはインビザラインの必須アイテムで説明しています。
アライナーを噛んでいる人も要注意!
アライナーを歯で噛んではめている方も変形の原因になりますので、注意してください!
もし、噛んでおられる方は、チューイーを必ず使用するようにしてください。
面倒だと思いますが、毎回必ず使用していただくことで変形を防ぐことができます。
③着色
インビザラインは最低でも一つのアライナーにつき、7日間の使用が必要です。さらに1日20〜22時間の装着が必要なため、どうしても飲み物に関しては水だけに限ることは難しいと思います。こうしたことから、透明で目立たないことが特徴であるアライナーが、コーヒーや紅茶などで着色してしまいます。それでも装着日数は変えられないため、次の新しい透明なアライナーの装着まで我慢しなくてはいけません。
解決方法
可能な限り、飲んだ後はアライナーをさっとゆすぐこと。どうしても難しい場合はお水を続けて飲むことをお勧めします。
※補足
インビザライン装着中の、温かい飲み物にも注意してください。熱湯を飲むことはないと思いますが、熱に弱いインビザラインがお口の中にあることを忘れないでください。(変形の恐れがあります)
失敗例~番外編①~
患者様から意外とよく聞くのが、
「ペットにマウスピースを噛まれてしまった・・・」という失敗談。
面倒だからといって、机の上にそのまま置いているとわんちゃんがおもちゃにして噛んでしまいます。
そうなると、マウスピースはもう二度と元に戻すことはできません。正直に担当の先生に伝えて、マウスピースを再製する必要があります。
※犬や猫などのペットを飼っておられる方は、必ずマウスピースをケースに入れて保管するように注意してくださいね!
失敗例~番外編②~
頻繁には起こらないけれど、可能性としてあるのが、
飛行機の中で、ゴミと間違えられて、知らない間にCAさんに回収されてしまうという失敗例。
ご自身では、食事の際「一時的に」ティッシュでくるんでいるつもりでも、CAさんにとったら見た目はティッシュのゴミ。
サービスが行き届いている空の上だからこそ、知らない間に不要であろうと判断されたものは素早く回収されてしまいます。

映画を見ながらうとうと・・・寝てる間に目の前の残っていた食事が知らない間に回収されていた経験はありませんか?
このケースも同様、一時的であってもケースに保管するように心がけましょう。
失敗例~番外編③~
これは直接装置に被害が及ぶことではなく、長い爪を持った方の失敗例として。
マウスピースの外す際には、指の先端を上手に扱うことが必要です。
人によっては、装着が苦手な方もおられます。
特に、爪が長い方・ネイルをされている方だと爪が割れてしまうケースがあります。
そんな方へ、マウスピースの取り外しが簡単になる「イージーリフト」という商品も販売されています。
爪を痛めないことに加え、装着自体が苦手な方にも簡単にマウスピースを浮かせて外せるよに助けてくれるアイテムです。お困りの方は是非試してみてください。
歯科医師への相談がとにかく大事
それでも紛失はしてしまうし、気づかずに変形している可能性もあります。患者様のコントロール力の比重が重いマウスピース治療では、患者様からの相談・報告が結果として目標のゴールイメージに一緒に近づけられる大事な要素となります。紛失しても、引け目を感じずに一緒に何が次の選択としてベストな方法かを考えましょう。
より良い治療のために
相談するべきでも、なかなか言い出しにくくて伝えるタイミングが遅れてしまう患者様が多いです。歯は日々動いています。そのため、気になる点や変化を感じたらすぐに相談してもらうことが、常により良い治療を受けていただく鍵にもなります。
記事監修者:歯科医師 庄野太一郎
徳島県、昭和大学歯学部卒業。医療法人庄野市歯科診療所の理事長として、庄野歯科医院徳島院、庄野歯科医院北浜オフィスを開設。国際インプラント学会に所属し、インプラント治療の技術研鑽に努め、四国初のインプラントセーフティーマーク取得医院として認定。現在、関連書籍も出版。