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2021.02.16
装置のことマルチトゥース挺出用最適アタッチメント

アタッチメントのお話、第二弾。今回は前歯部オープンバイト治療用に設計されたマルチトゥース挺出用最適アタッチメントについてお話します。
適応症例:オープンバイト(開咬)
まずはオープンバイトとは?矯正をお考えの方だと、聞いたことがある方あるいはご自身がそうである方もいるかと思います。
オープンバイトとは、前歯が噛み合わずに隙間が開いている状態を言い、開咬(かいこう)またはオープンバイトと呼ばれ、不正咬合の一種となります。
では、なぜオープンバイトが不都合なのでしょうか?治療前に、治療の意味をしっかり理解しましょう。
虫歯や歯周病、風邪になりやすい
オープンバイト=お口が常に開いている=口呼吸になりがち。唾液の分泌量が減り、細菌や汚れがお口の中に残ります。虫歯や歯肉炎の原因とるだけではなく、悪化すると歯周病になる可能性も。
また、空気感染する風邪やインフルエンザなどの病気にかかりやすくなります。
消化不良、奥歯への負担増大
お口を閉じると、奥歯だけがガチっと噛み合っている状態のため、どうしても食事の時は奥歯でしか噛んでいない状態が続いてしまいます。
全体の歯を使って上手に食べ物を噛むことができず、十分咀嚼できないうちに飲み込んでしまう可能性があります。そのため、消化不良に繋がることがあります。同時に、奥歯に必要以上の力が加わり、負担が増え、奥歯の寿命が短くなってしまします。
アタッチメントの働き
オープンバイトの治療として、前歯の挺出と奥歯の圧下が必要です。上顎前歯4本にアタッチメントが付き、それらを1つのかたまりとし、それ意外の歯を固定源にしながら挺出を行います。同時に、奥歯には反対方向に力が加わり、圧下します。
つまり、マルチトゥース挺出用最適アタッチメントは前歯の挺出と奥歯の圧下2つの働きを可能にしました。
挺出
歯を、歯茎の中から歯軸に沿って押し出す
圧下
歯を、歯茎方向へ押し込む
奥歯を低くし、前歯を引っ張りだす。この働きにより、口が閉じられるようになります。また、前歯それぞれ、押し出す力の加え方が異なるため、歯の大きさに合わせて、アタッチメントの形や大きさを個別にコントロールします。
治療シミュレーションの共有
歯の動くしくみとは、複雑なものです。それでもなぜ、マウスピースを入れているのに、前歯を押し出す動きができるの?と疑問が残る部分もあると思います。
当院では、無料シュミレーションで、治療過程を共有しながら、患者様の疑問をしっかり解消いたします。是非お気軽にご来院くださいませ。
記事監修者:歯科医師 庄野太一郎
徳島県、昭和大学歯学部卒業。医療法人庄野市歯科診療所の理事長として、庄野歯科医院徳島院、庄野歯科医院北浜オフィスを開設。国際インプラント学会に所属し、インプラント治療の技術研鑽に努め、四国初のインプラントセーフティーマーク取得医院として認定。現在、関連書籍も出版。