2021.10.05

矯正豆知識

顎間ゴム(ゴムがけ)

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ゴムがけは、ワイヤー治療だけではなく、マウスピース治療の中でも使用する事があります。ただ、多くの方がこのゴムがけの期間にしっかり歯科医師の指示通りに使用することが難しく、結果治療期間が長引く傾向があります。

使用時の見た目、取り外しの煩わしさや、お口の中の違和感など、指示通りにできない難しさは様々です。今一度、ゴムがけの大切さを知り、正しく使用することを目指しましょう。

ゴムがけとその効果

ゴムがけは、持続的な力をかけることによって歯を動かしたい方向に誘導することができます。ゴムの種類によって太さや強さが違うものがあり、段階的に歯科医師からの指示の元、使い分けていきます。

歯の移動距離の調整にも

歯の矯正は、少しずつ最終目標の歯の位置へ動かしてきます。そのため、歯の並び方によっては、治療中一時的にスペースが生まれることがあります。正確にはスペースを作りながら目標位置に向かっています。

ゴムがけは、このスペースを作りすぎないため、大きく動きすぎることを調整するためにも使用します。
歯科医師からゴムがけ有無の指示が都度ある理由は、きちんと治療経過を観察している証拠です。

必要性

主に、上下のアライナーをつなげて歯の隙間を埋めていくことを目的としています。上下の歯の位置のズレを、マウスピースだけでは動かせない方向へ動かす需要な役割を担っています。けしてオプショナルなものではありません。あんな小さい、ほんとにこれをかけるだけで効果あるの?と思われがちですが、するしないでは、仕上がりに格段の差がでてくるのは事実です。

ゴムかけをさぼると治らない!?

このゴムかけ、毎日つけていただくことに意味があります。ゴムをつけていただくことで、上下の噛み合わせや前後のズレを改善していくのですが、一定時間以上をこえないと歯が動いてくれません。そのため、装着時間がまばらだとしっかり歯が動いてくれず、治療が思うように進まないことがあります。

ゴムかけは、治療をスムーズに進めるために必ず守っていただきたいお約束の一つでもあります。

ゴムかけの種類

ゴムかけは、症状によって種類があります。力をかけたい、動かしたい方向に沿っているので、想像しやすいと思います。かけ方の種類をみていきましょう。

2級ゴム

主に、出っ歯の矯正によく使用されます。上の前歯を後ろに引っ張る動きがメインです。

上の犬歯付近と下の第一大臼歯付近にゴムをかけます。また、下の臼歯の近心移動(歯の中央に移動すること)にも使用します。

3級ゴム

いわゆる、受け口・しゃくれの症状の矯正に使用されます。下の歯を後ろに引っ張る動きになるため、
下の犬歯の付近と上顎第一大臼歯付近のフックにゴムをかけていきます。また、2級ゴムと反対に上の臼歯の近心移動(歯の中央に移動すること)にも使用します。

クロスゴム

上下の歯の噛み合わせがずれている症状の矯正によく使用されます。

かけ方としては、上下の同じ歯の表側と裏側にクロスするようにゴムを掛けていきます。(口を開けると縦方向にクロスしながらゴムがかかっています)

一番奥の歯の場合が一番むずかしいですが、だんだんと慣れていきます。

垂直ゴム

開咬(かいこう)矯正によく使用されます。かいこうは、お口を閉じても歯が噛み合っていない症状のことを言います。

上下の歯に垂直にゴムをかけることで、縦に引っ張る力を利用して、噛み合うように動かしていきます。

プレジョンカット<インビザラインG3>

マススピースのゴムがけは、手作業でアライナーに切り込みを入れた箇所同士に対してゴムかけをしていました。インビザラインの進化の一つ、プレシジョンカットは2011年5月に追加機能として登場し、これまでの切込みを事前に加工してくれるようになりました。

手作業での切り込みは入れ方によっては、切り口でお口の中を傷つけたり、切ったことによってアライナーが浮き、お口の中の違和感が増していました。プレジョンカットがある現在は、より違和感が少なく快適にゴムがけの使用が可能となりました。

使用を継続するコツ

アライナーケースにしのばせる

付け始めはすぐに外れてしまい、その都度大量の顎間ゴムが入っている袋をあけて、鏡を出して装着する。と工数が多く外れたままで過ごしてしまう方が多いです。できるだけスムーズな動線で付け外しができる環境を整えましょう。

歯科医師との相談はこまめに

やった方がといいとわかってはいても、生活スタイルや仕事上などでどうしても指示どおりに使用することが難しい場合もあるかと思います。そんな時は、担当歯科医師にご相談ください。

「歯医者さんに注意されるから…」と思い、使用状況(ゴムがけに限らず、マウスピースの使用時間なども)を正確に伝えていただけていない場合があります。

もちろん、正しく使用をお願いしたいところですが、「できるだけ治療期間を短く」「ストレスが少なく」最終ゴールに高い満足感を得ていただけることが、私達にとって一番の目的です。こまめに、ご相談ください。

記事監修者:歯科医師 庄野太一郎

部卒業。医療法人庄野市歯科診療所の理事長として、庄野歯科医院徳島院、庄野歯科医院北浜オフィスを開設。国際インプラント学会に所属し、インプラント治療の技術研鑽に努め、四国初のインプラントセーフティーマーク取得医院として認定。現在、関連書籍も出版。