2021.10.01

矯正豆知識

歯列矯正と親知らずについて

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親知らずが生えている方、スペース不足で生えずに骨や歯茎に埋まっている方など、親知らず事情は様々。

今回は、歯列矯正をされた方や矯正中の方に向けて、抜歯の必要性や放置することでどのような影響を与えるのかをご説明していきます。

親知らずと後戻りの関係

歯列矯正が終了した歯は、元の位置に移動しようとします。

これを「後戻り」といい、歯を支える骨がしっかりできると安定していきます。(歯が安定するためには、歯を動かしていたのと同じだけの期間が必要だといわれています)もし、矯正後にも親知らずが残っている方は、基本的に抜歯をしていただくことになります。

例えば、斜めに生えた親知らずがある場合には、親知らずよりも前の歯を押してしまい、後戻りを惹起してしまうため抜歯が必要になります。

しかし、親知らずが真っすぐに生えていて、周囲の歯に影響を与えないようであれば、抜歯していただかなくて済む場合もあります。

そのようなことから、抜歯に関しては親知らずの有無や生えている方向を確認した上で、必要性を検討することになります。

矯正中の方

矯正治療中の方も、親知らずがある場合には抜歯をしていただくことになります。

親知らずがあると、上記でご説明したように「後戻り」の原因になるだけでなく、治療中に歯を移動させる際の妨げになります。

そのため、矯正中の方でも親知らずを抜歯していただくことがあります。

特に開咬の方は要注意!

奥歯でしっかり噛んでいても、前歯がかみ合わない‘‘開咬‘‘。

開咬の方は特に親知らずの影響を受けやすく、

横に倒れた親知らずをそのままにしておくと、後戻りしやすい傾向があります。

~番外編~親知らずを活かす!

親知らずを抜かずに「活かす」矯正パターンもあるんです。

例えば、親知らずの手前の12歳臼歯が虫歯で長く持たない場合などは、12歳臼歯を抜いてしまって、埋まっている親知らずを12歳臼歯の位置に動かしてくるようなケース。

マウスピース矯正では対応できないことにはなりますが、歯列矯正はそのようなことも可能です。

抜歯は悪いことばかりじゃない!

親知らずの抜歯は痛いのでは?と思われている方がほとんどかと思います。

確かに、痛みを伴うことが多い抜歯ですが、悪いことばかりではありません。

親知らずを抜歯すると、患者様によってはお顔が小さくなるというおまけが付いてくる方もおられます。

矯正中のスペースづくりにもなる

親知らずを抜歯することによって、その分歯の移動ができるスペースができます。奥歯も動かす矯正では、そのスペースを有効利用し、出っ歯やスペースが少なくガタガタした歯を治療することができます。

矯正前に、親知らずの抜歯も視野に入れた相談をしてみるのも良いでしょう。

矯正後の悪影響を減らす

矯正治療において、見た目には見えてきていない親知らずを抜かずに治療を進る場合もあります。

しかし、矯正治療の終了後、時間が経過した時点で親知らずの生え方に予想外の動きがあった場合、せっかく揃えた歯列に影響がでてくる可能性があります。

将来の影響を考えて、早期に抜歯の判断をする場合もあります。

虫歯や歯周病を未然に防ぐ

親知らずは一番奥にある歯のため、磨き残しになりやすく、虫歯や歯周病になりやすい歯でもあります。

親知らずのことを「智歯(ちし)」といい、「智歯周囲炎」という言葉もあるほど。

虫歯や歯周病になると、治療が難しい位置にあるため、親知らずが不要な場合には未然に抜歯しておくケースがほとんどです。

歯列矯正後も安定する歯並びに

歯列矯正後も、歯を安定させるために、保定装置(リテーナー)を装着するなどして、後戻りを予防する必要があります。

加えて、親知らずを抜歯することは、後戻りを防ぐための一つの予防方法になるのです。


記事監修者:歯科医師 庄野太一郎

徳島県出身、昭和大学歯学部卒業。医療法人庄野歯科診療所の理事長として、庄野歯科医院徳島院、庄野歯科医院北浜オフィスを開設。国際インプラント学会に所属し、インプラント治療の技術研鑽に努め、四国初のインプラントセーフティーマーク取得医院として認定。現在、関連書籍も出版。